露店・屋台(祭事以外)を開く際の道路使用許可と必要な手続き

移動販売(キッチンカー)のブームを受け、「固定型の露店や屋台を公道に出したい」と考える事業者様が増えています。しかし、祭りの縁日のような一時的なものではなく、日常的・継続的な露店営業は、道路使用許可の中でも最もハードルが高い申請の一つです。
これは、公道という公共の財産を、私的な営利目的で排他的に利用することに、警察や地域住民が極めて慎重になるためです。
この記事では、祭事以外の露店・屋台営業を目指す事業者様に対し、道路使用許可を得るための法的課題、そして許可取得に必要な「例外的な条件」と具体的な手続きを行政書士が解説します。

1. 露店・屋台の営業に必要な「二つの許可」の基本

露店・屋台を公道で営業するためには、移動販売車と同様に、二つの異なる法律に基づく許可が必要です。

許可の種類根拠法申請先目的
① 食品営業許可食品衛生法保健所飲食物の調理・販売の衛生管理を合法化
② 道路使用許可道路交通法所轄警察署 交通課露店の設置や営業行為による交通への影響を管理

このうち、公道での営業の可否を直接左右するのが、所轄警察署への「道路使用許可」申請です。露店・屋台の設置行為は、道路交通法第77条第1項第4号(その他警察署長が交通に影響を及ぼすと認める行為)に分類されます。

2. 祭事の露店と日常的な露店の違い

なぜ、祭りの露店は簡単に並ぶのに、日常的な露店は難しいのでしょうか。その答えは、「公共性・公益性の有無」にあります。

祭事の露店(許可が出やすい理由)

  • 公共性: 地域の文化・伝統行事であり、公益性や社会的な合意が成立している。
  • 限定性: 期間・場所が厳格に限定され、一時的な使用と見なされる。

日常的な露店(原則禁止の理由)

公道は、本来「誰もが自由に通行できる」という公共の目的のために存在します。

  • 私的・商業的な利用: 露店営業は、本質的に公共の道路空間を特定の事業者が占有し、営利を追求する行為です。
  • 公平性の欠如: 警察は、特定の事業者だけに公道利用を許可することは、他の事業者との公平性を欠くとして、原則として許可を出しません。

この原則的な規制を乗り越えるには、極めて高いハードルをクリアする必要があります。

3. 祭事以外の露店営業で許可を得るための3つの条件

祭事以外の露店営業で道路使用許可を得るには、「原則禁止」の壁を打ち破るための例外的な条件と、それを裏付ける合理的な理由づけが必要です。

条件1:使用期間・時間の厳格な限定

恒常的(毎日、毎週など)な営業はまず許可されません。

  • 期間: 地域振興イベントや観光キャンペーンなど、期間限定の特別な目的に紐づいていることが必要です。
  • 時間: 交通への影響を最小限にするため、交通量が極端に少ない時間帯(例:深夜、早朝の特定時間)に限定されることが一般的です。

条件2:設置方法と安全対策の徹底

露店の設置が、交通を妨げず、かつ安全に管理できる構造であることが求められます。

  • 移動・撤去の容易性: 露店は道路に固定してはならず、緊急時には警察の指示により速やかに移動・撤去できる構造でなければなりません。
  • 顧客の滞留対策: 露店前の顧客待機列が歩行者や交通を妨げないよう、待機エリアの明確な確保と、必要に応じた交通誘導員の配置が必須です。
  • 火災対策: 火気を扱う場合は、消防法に基づいた対策(消火器の配置、周囲の可燃物との距離確保)も審査対象となります。

条件3:強い「公益性」の説明と地域合意

単なる営利目的の申請は却下されます。申請理由として、地域の公共の利益につながる強い理由づけが必要です。

  • 公益性の例: 「シャッター街活性化のための期間限定企画」「過疎地域における生活利便性の補完」など。
  • 地域合意: 地域の商店街振興組合や自治会、町内会などに対し、事前に計画を説明し、その同意書または協力体制を示す書類の提出が強く求められます。住民や周辺店舗からの反対意見があれば、許可はまず下りません。

4. 申請手続きの要点と注意点

申請先は、露店を出店する場所を管轄する警察署の交通課です。

書類・計画の要点行政書士に依頼すべき理由
設置場所と構造図露店のサイズ(縦横)、設置に必要な面積、歩行者通路の確保幅員(1m以上)など、警察の指導に基づく細部の寸法を正確に図面化する必要があります。
顧客誘導計画図顧客の待機列が車道や歩行者通路にあふれないための詳細な誘導ラインと、パイロン等の保安施設の配置を明記しなければなりません。
申請理由書/誓約書強い「公益性」と「限定性」を論理的に構成し、却下されないための説得力ある文章を作成する必要があります。

5. まとめ

祭事以外の露店・屋台営業は、道路使用許可の中でも最も難易度が高い案件です。「恒常的な私的利用は原則禁止」という大原則を覆すためには、高度な行政交渉力と、地域・警察双方を納得させる合理的な書類作成が不可欠です。
当事務所のような行政書士は、単に申請書を作成するだけでなく、以下の却下リスクの高い部分を専門的にサポートいたします。

  • 警察署との事前交渉: 申請前に警察の意向を把握し、却下されないための計画を共同で構築します。
  • 公益性の証明: 申請理由を法的・論理的に構成し、地域の同意形成をサポートします。
  • 高度な安全対策図の作成: 警察の審査基準を完全にクリアする、詳細で実効性のある安全対策図面を作成します。

あなたの露店営業の夢を安全かつ合法的に実現するため、まずはお気軽に当事務所にご相談ください。

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