足場設置、クレーン作業:建設・土木工事における道路使用許可の鉄則

建設・土木工事において、公道に面した場所で作業を行う際、「道路使用許可」は避けて通れません。特に、外壁工事に伴う足場設置や、重量物の吊り上げを行うクレーン作業は、交通への影響が大きく、無許可での作業は即時中止や罰則(3ヶ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金)の対象となります。
この記事では、建設業者の皆様が知っておくべき、道路使用許可の基本的な鉄則と、申請をスムーズに進めるための具体的なチェックポイントを行政書士が解説します。

1. 工事における道路使用許可の基本(第1号行為)

建設・土木工事における道路使用許可は、道路交通法第77条第1項第1号に該当する「道路における工事又は作業」として申請されます。

項目対象となる行為
許可の目的工事中の人や車両の安全を確保し、交通渋滞を防ぐため
主な対象足場設置、クレーン・重機の使用、掘削、資材搬入・搬出など

道路使用許可は、計画された工事が「他の交通に迷惑をかけずに安全に行えるか」を警察が事前に審査する手続きであり、工事を安全に進めるための「資格」のようなものです。

2. 【建設業者の鉄則】必須の二重許可制度を理解する

足場設置や仮囲いを伴う工事の場合、道路使用許可(警察)だけでは不十分で、道路占用許可(道路管理者)も同時に必要となります。これは、建設業者様にとって最も混乱しやすいポイントです。

許可の種類道路使用許可道路占用許可
目的一時的な「行為」の安全確保継続的な「施設」の私的利用
申請先警察署長(交通課)道路管理者(市役所、県庁など)
具体的な対象足場を組む・撤去する作業足場が設置されている期間

鉄則:足場・仮囲い設置時は「二重申請」が必須

足場や仮囲いは、「道路を一時的に使う行為(設置作業)」と「設置後に道路空間を継続的に占有する施設」という二つの側面を持つため、必ず両方の許可がセットで必要です。
申請先が警察(道路使用)と役所(道路占用)に分かれるため、同時並行で申請手続きを進めるのが鉄則です。

3. ケース別解説:道路使用許可の注意点と申請の鍵

ケース1:足場設置・解体作業

足場を設置する際の道路使用許可申請で、警察が最もチェックするのは「歩行者の安全確保」です。

申請の鍵具体的な対策
作業スペースの明確化トラックの停車位置、荷物の一時置き場を明確にし、必要最小限の範囲に収めること。
歩行者通路の確保歩道の一部を規制する場合、仮設の歩行者用通路を確保し、幅員が1メートル以上あるか図面に明記すること。
規制標識・誘導員「徐行」「片側交互通行」などの規制標識を、見やすい位置に基準通りに設置する計画を立てること。

ケース2:クレーン作業・高所作業車使用

クレーン作業は、アームが道路上空を大きく占有し、作業時に危険が伴うため、申請はさらに厳しくなります。

申請の鍵具体的な対策
作業半径と規制範囲クレーンのブーム(アーム)が届く範囲や、アウトリガー(張り出し)を明確にし、規制範囲を正確に示すこと。
規制時間帯の指定交通量への影響を最小限にするため、作業時間を平日の早朝(例:午前6時〜9時)や深夜に限定するよう指導されることが多いです。
安全管理吊り荷の下を第三者が通らないよう、必ず交通誘導員を配置する計画が必要です。

4. 申請書類の「核」となる作成上のチェックポイント

許可申請の成否を分けるのは、添付書類の中でも特に「交通規制図」の正確性です。この図面に不備があると、警察との協議が長引き、工期遅延の最大の原因となります。

チェックポイント1:交通規制図の正確性

  • 規制標識の基準厳守: 設置する規制標識の種類(例:徐行、幅員減少)、サイズ、そして設置場所から規制地点までの距離が、警察の定める基準を満たしているか確認してください。
  • 誘導員の配置: 必要な人数(一般的には作業開始地点、規制地点、迂回地点など)を配置し、それぞれがどこで何を誘導するのか(例:車両誘導、歩行者誘導)を明記します。

チェックポイント2:道路管理者との調整記録

道路占用許可(役所)を申請中、または取得済みの場合は、その進捗状況を道路使用許可申請書に記載するか、占用許可書(写)を添付しなければなりません。警察は、道路管理者との調整が取れているかを必ず確認します。

5. まとめ

足場設置やクレーン作業は、建設・土木工事において最も道路使用許可のリスクが高い行為です。許可を取得することは、単なる手続きではなく、法令を遵守し、工事の安全と工期を確保するための、プロの建設業者としての責務です。
無許可での作業は、罰則、工期遅延、そして発注元からの信用失墜という取り返しのつかないリスクを招きます。

安全と効率化は行政書士にお任せください

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  • 高品質な規制図作成: 警察の審査基準を満たす、プロ仕様の交通規制図を迅速に作成し、審査落ちのリスクを最小限に抑えます。
  • 工期遅延の回避: 事前協議を徹底することで、工事スケジュールに合わせて確実に許可を取得します。

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